歯がむし歯になったとき、神経を取らずに保存できるならば、それに越したことはありません。神経を残せば、歯の寿命を延ばし、噛み合わせの感覚や歯の強度を維持できます。
近年、歯科治療の現場で注目されている方法の一つに「ドッグベストセメント」があります。これは、むし歯部分を削り取りすぎることなく、歯を可能な限り保存するための治療法です。本ブログでは、ドッグベストセメントの特徴や施術の流れ、さらに歯の神経を残すメリットについて詳しく解説します。本ブログを通じ、歯の健康を守る選択肢を検討ください。
目次
- ▶️ドッグベストセメントとは?
- ▶️施術方法
- ▶️適応症
- ▶️歯の神経を残すメリット
- ▶️まとめ
ドッグベストセメントとは?
ドッグベストセメントは、酸化亜鉛や銅、酸化鉄などを主成分とするセメントです。細菌に感染している部分に塗布することで、むし歯菌を殺す作用が期待できます。同時に、歯を化学的に保護しながら、健康な歯質をできるだけ残すことを目的としています。従来の大きく削る治療とは異なり、歯の神経を残すことにも配慮したアプローチとして注目を集めています。
施術方法
まずむし歯の部分を最小限に削り、感染した歯質を取り除きます。その後、ドッグベストセメントを詰めることで残った歯質を保護し、再感染を防ぐとともに、歯の再石灰化を促します。必要に応じて上から詰め物を装着し、噛み合わせを整えます。治療の進行状況によっては複数回の通院が必要となりますが、できるだけ歯の神経を残すことで、歯の将来的な負担を軽減することが期待できます。
適応症
むし歯が比較的浅く、歯の神経まで大きく達していない場合に適しています。深いむし歯でも、神経がかろうじて残せる状態であれば検討されることがあります。ただし、重度の感染や歯茎の状態によっては適応外となる場合もあります。診断時にはレントゲン撮影や歯科用CTなどを活用し、むし歯の進行度や周囲組織の状態を慎重に見極めることが重要となります。
歯の神経を残すメリット
【痛みの予防と感覚維持】
歯の神経は、痛みや温度などの感覚を脳に伝える役割を持ちます。神経を残せば外部刺激を正しく察知できるため、早めの異変に気づきやすくなるのです。また、神経が残っていることで過度な力を避け、噛み合わせのバランスを保ちやすくなります。結果として、他の歯や顎関節への負担も軽減する傾向が期待されます。
【歯の強度維持】
神経を除去した歯は血液や栄養が行き届かなくなるため、脆くなりやすいという特徴があります。神経を残すことで、歯が内部から乾燥・劣化しにくくなり、結果的に歯の強度を維持しやすくなります。また、歯の寿命を伸ばす上でも有利とされます。補綴物(詰め物やかぶせ物)を装着する際にも、できるだけ自分の歯質が多いほうが安定性を確保しやすいと言われています。
【治療コストと負担の軽減】
神経を抜く治療は、根管治療や再度の被せ物などが必要となり、通院回数や費用が増える傾向があります。一方、神経を残すことで治療工程を簡略化できる場合があり、結果として通院回数や費用の軽減につながるケースもあります。
まとめ
歯の神経を残すことは、噛み合わせや歯の強度を保ちながら、長期的にご自身の歯を活かすための重要な選択肢となります。ドッグベストセメントの登場により、むし歯治療でも削る範囲を抑え、歯質の温存が期待できるようになりました。一方で、適応症や症状の進行度によっては別の治療法が適切な場合もあるため、まずは歯科医師の診断を受けることが大切です。
