失った歯を歯根から回復できるインプラント。その特徴は唯一無二で、従来法にはないたくさんのメリットが得られる治療法ではありますが、注意しなければならない点もいくつかあります。今回はそんなインプラント治療のメリットと注意点をわかりやすく解説します。
インプラント治療に伴うメリット
インプラントは、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込む治療法です。その構造は天然歯とほぼ同じであることから、以下に挙げるメリットが得られます。
見た目が自然で美しい
インプラントの見た目は、天然歯そっくりといっても過言ではありません。口腔内に独立した形で固定できるため、入れ歯のクラスプのようなパーツを付随させる必要がないのです。
硬いものでもしっかり噛める
インプラントでは、噛んだ時の力を人工歯根と顎の骨で受け止めることができるので、硬い食べ物や弾力性の高い食べ物もしっかり噛めます。
周りの歯に負担がかからない
ブリッジでは、両隣の歯を大きく削る必要があります。入れ歯もレストの部分を少し削ったり、金属製のクラスプを引っ掛けたりしなければなりませんが、インプラントは人工歯根が土台となるため、周囲の歯に負担をかけることがありません。
顎の骨が痩せにくい
噛んだ時の力が顎の骨にしっかりと伝わるインプラントでは、顎骨が痩せていく現象を最小限に抑えられます。
装置の寿命が比較的長い
保険の入れ歯は4~5年、ブリッジは7~8年程度で寿命を迎えるといわれていますが、インプラントは少なくとも10年持ちます。適切なケアとメンテナンスを継続していれば、20年、30年と寿命を延ばすことも難しくはありません。
インプラント治療の注意点について
インプラント治療では、次の点に注意する必要があります。
☆保険が適用されないため治療費は全額自己負担となる
☆外科手術が必須
☆術中、術後に感染するリスクがある
☆人工歯根が定着しないことがある
☆金属アレルギーのリスクはゼロではない(チタンアレルギーの可能性)
☆骨が痩せると見た目が悪くなる場合がある
☆歯周病になるリスクが比較的高い(インプラント周囲炎)
☆歯科医院によって技術や設備が異なり、仕上がりにも大きな差が見られる
まとめ
今回は、インプラント治療のメリットと注意点について解説しました。インプラントでは、従来法にはない数多くのメリットが得られる反面、注意しなければならない点があることも事前に正しく理解しておく必要があります。インプラントは、失った歯の治療として極めて優れた結果をもたらしてくれる方法ですが、決して万能ではありません。その点も理解した上で、インプラント治療を検討することが大切です。