「TCH」ってなに?影響や改善方法について

私たちの歯の主な機能は「そしゃく」です。食べ物を噛み切ったり、すりつぶしたりするために存在しているのが「歯」なのです。そのため歯と歯が接触している時間は食事中に限られ、1日の中でも20分程度といわれています。それが食事以外の時にも見られる症状を「TCH(Tooth Contacting Habit)」と呼びます。今回はそんなTCHの特徴や影響、改善方法について詳しく解説します。

▼TCHとは?

TCHは、日本語で「上下歯列接触癖」と訳されます。その名の通り上下の歯を接触させてしまう習癖で、歯ぎしりや食いしばりもその一種と考えて差し支えないでしょう。厳密には、もう少し軽い症状で、スマホを見ている時に起こりやすいです。皆さんも職場や学校、電車の中でスマホを見ている時、自然とうつむくような姿勢をとっていませんか?その時、下の顎が前方へと移動して、上下の歯列が接触しやすくなります。歯ぎしりのように歯をギリギリと軋ませているわけではありませんが、上下の歯が接触するだけでもそれなりの悪影響が生じるため、十分な注意が必要です。

▼TCHによる影響

TCHがあると、歯の摩耗が起こりやすくなります。エナメル質は人体で最も硬い組織ではあるものの、硬いもの同士が接触すれば比較的かんたんに摩耗してしまうものです。上下歯列の接触状態が長時間に及ぶと、顎の関節に過剰な負担がかかって顎関節症を引き起こすこともあります。お口周りの筋肉も疲労することでしょう。その他、詰め物や被せ物を装着している場合はそれらの破損、歯茎に大きな負担がかかることによる歯周病リスクの増大などもTCHによる悪影響として挙げられます。

▼TCHの改善方法

TCHは病気ではないため、今すぐに医療機関で治療を受けなければならないというものでもありません。ただ、安静時に上下の歯列が接触していることは間違いなく異常な状態なので、意識的に改善していく必要があります。

◎上下の歯は2~3mm離す

上下の歯列は、2~3mm離れているのが正常な状態です。これを専門的には「安静空隙(あんせいくうげき)」といいます。スマホをいじっている時やデスクワークをしている時にこの空隙が保たれているかどうかを常に意識するようにしましょう。そのことをどうしても忘れてしまうという方は、付箋に「歯を離す」と書いてパソコンに貼っておいたり、スマホのリマインダーで定期的に注意喚起したりすると比較的早期に改善できますよ。重症度が高くなったTCHは、歯ぎしりや食いしばりと同程度の悪影響が及ぶことから、ナイトガードというマウスピースを使った歯科治療を検討してみても良いかもしれません。

▼まとめ

今回は、安静時に上下の歯列が接触するTCHについて解説しました。現代人によく見られる習癖なので、皆さんも十分にご注意ください。TCHの症状の悩まされている方は、当院までご相談いただければ改善方法を提案できるかと思います。TCHを軽視していると思いもよらない深刻な症状が現れる場合もありますので、少しでも気になる点があれば歯医者さんに診てもらいましょう。

チームメンバー募集中!

ページの先頭へ戻る